上下の永久歯の前歯が2~8本がはえ始め、不正咬合がはっきりと目立ってくるころです。永久歯の出てくるのが遅い方は開始が少し遅くなります。10才ぐらいからでも遅くない場合もあります。この時期の子供は矯正力への反応性に大変富んでいるので、時期をはずさずに治療を受けてもらいたいです。タイミングの良い治療は、短期間ですばらしい結果が得られるものです。なお、よほど重症の方を除いて、幼稚園の方にはあまりお勧めしません。
成長のメカニズムを治療に組み込んだり、骨の成長を抑制したりしながら治療をすすめます。したがって、成長はそもそもがゆっくりとしたものなので、治療結果が得られるのは遅くなります。また、途中で出てくる永久歯を持っていることもあるので、どうしても治療期間が長くなりがちです。ケースによって幅がありますが1~3年ぐらいです。
乳歯の後に後続の永久歯がまだ十分に準備ができていない早期に、外傷や虫歯が原因で乳歯を抜歯(脱落)せざるを得なくなった場合です。この場合は、乳歯を抜歯(脱落)したところを硬い骨が覆ってしまい、永久歯が生えるのが遅くなってしまいます。あまりに生えるのが遅くなると、隣の歯が勝手に動いてきて永久歯の本来の予約席を奪ってしまいます。予約席を失った永久歯は、別の場所をもとめて勝手に生えることになり全体の歯並びが悪くなってしまうのです。
上の前歯は2本だけでなく4本ともハの字に生えてくるのが正常です。あとから犬歯が生えるときに前歯4本を前に押すので、前歯のすき間は自然に治ってきます。しかし最近はこの自然に治るメカニズムが働かない子供たちが増えています。あごの骨が小さく犬歯が正しい位置に生えることができないとこのメカニズムが十分に働かず、すき間が残ったままの状態になります。
下の乳歯の前歯の後ろ側(内側)に永久歯が生えるのが正常です。乳歯が脱落した後に、永久歯が前に自然に動いてきて4本がきれいに生えそろうのが原則です。これをエスカレーター式の歯の交換とよびます。しかし最近はこの自然なメカニズムが働かない子供たちが増えて下の顎の骨が小さく前歯がきれいに生えそろう余地のない子供は、このメカニズムが十分に働かず自然に永久歯の前歯が前に出てくることはありません。でこぼこのままで終わってしまいます。
乳歯を抜いても永久歯がきれいに生えるために必要な骨の幅を得ることにはならないからです。それどころか、早期に乳歯を抜いてしまえば、かむことによって乳歯を通して骨に伝わる刺激がなくなってしまいます。この刺激は骨の健康な成長の維持という点で重要な要素があります。この刺激が骨に伝わらなければ骨は収縮方向に向かいます。これは一種の退化と考えて良いでしょう。このようなケースにはあごの骨を拡大する方向の治療を行うべきです。乳歯の早期の抜歯は間違いで、別の面からも良くない点があります。
しかし、そのような事は歯科医師が口にして良い言葉ではありません。きっとその先生は患者様のご両親をあまり心配させないように配慮するつもりでおっしゃったと考えられます。
痛い場合でも3時間程度で緩和されます。ところが、年齢が上がり、永久歯列の治療を行うのが成人の方になると痛み感じられる方が少し増えてくるようです。
■メリット→口元と横顔が綺麗になる。■デメリット→初めて装置を付けたときは、唇・顔・舌が装置でこすれ、 話しにくい、食べにくいという違和感がありますが、2・3日で慣れていきます。